東京から日帰り! 千葉・山梨・茨城の穴場アート旅3選【2023年最新】

GW目前! 東京から弾丸日帰りで訪ねたい、ちょっぴり通好みのアートスポット

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ELLE Japan

2023年のゴールデンウィーク。まとまった休みがとれない人は、日帰りアートトリップで気分をリフレッシュしては? 都内から気軽に行ける、感性を刺激するアートスポットをご紹介。

アンリ・マティス《豪奢、静寂、逸楽》
アンリ・マティス《豪奢、静寂、逸楽》
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【1】マティスを訪ねて上野&千葉へ!

まずは近場の上野で、注目のマティス展を足掛かりに

20世紀芸術の巨匠アンリ・マティスの大回顧展が8月20日まで上野の東京都美術館で開催中。世界最大級のマティスコレクションを収蔵するパリのポンピドゥー・センターが全面協力し、名品約150点が集結した。

フォービズムの流れを代表するマティスの作品は、観る人の感覚にダイレクトに響くような、鮮やかな色彩とかたちが特徴だ。絵画に加えて、彫刻、素描、版画、切り紙絵…彼のクリエイティビティをさまざまな角度から目にすることができる。観るだけで心躍るような、豊かな光と色に満ちた世界に没入したい!

東京都美術館

住所:東京都台東区上野公園8-36
マティス展

開催中~8月20日(日)※チケット予約制

アンリ・マティス《ミモザ》1949年 切り紙絵(コラージュ) 池田20世紀美術館
アンリ・マティス《ミモザ》1949年 切り紙絵(コラージュ)151.3×93cm 池田20世紀美術館
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マティス好きは千葉へ足を伸ばそう! 

上野のマティス展を観てその世界観に興味を持ったのなら、ぜひ千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館も訪ねてほしい。20世紀美術で日本有数のコレクションを誇るミュージアムは、彫刻が点在する広大な庭園のなかに建ち、開放感抜群のロケーション。

開催中の「芸術家たちの南仏」展では、20世紀に南仏を制作の地に選んだ芸術家たちの作品が集結。国内の美術館などが所蔵する約30作家の作品と関連資料およそ150点を通して紹介している。
ポール・セザンヌ、マルク・シャガール、パブロ・ピカソをはじめ、これほど多くの芸術家が南仏というエリアに魅せられていたことに気づかされるはずだ。もちろん、ニースの街に恋し、ここで生涯を終えたアンリ・マティスもしかり。

一方で南仏は、戦時中に敵性外国人として収容された者たちや、港を目指した他国への亡命者が、作品を生み出した場でもあった。別の側面から、南仏で生まれたアートの意味を掘り下げてみると、マティスの作品もより深く味わえるはず。

DIC川村記念美術館

住所:千葉県佐倉市坂戸631 
※JR佐倉駅、京成佐倉駅とDIC川村記念美術館を結ぶ無料送迎バスが運行。東京駅から直行バス(所要時間60分)も有
「芸術家たちの南仏」展

開催中~6月18日(日)

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【2】八ヶ岳で近現代アート尽くし

森の中、アートからエナジーチャージ!

爽やかな新緑の季節、山方面でアート鑑賞を楽しむなら、山梨県の北杜市エリア周遊がおすすめ。まず八ヶ岳の美しい自然のなかに佇む中村キース・へリング美術館へ。どこをどう切り取ってもフィトジェニックなこのミュージアムは、ニューヨークをベースに活躍したキース・へリング(1958-1990)のコレクションで知られる。

5月21日(日)まで開催中の「中村キース・ヘリング美術館開館15周年記念展:混沌と希望」展では、コレクターであり館長を務める中村和男氏のキース・ヘリングコレクションから作品約150点が並ぶ。底抜けに明るい画風の裏には、1980年代の混沌とした社会への訴えや内なる苦しみ、希望と自由への強い想いが描かれているという。マイノリティ差別ひとつとっても今よりも厳しかった時代に描かれたエネルギッシュな作品群から「世界に向き合うためのヒント」を見つけられるかも。

さらに2023年6月3日(土)から2024年5月6日(月)まで、あの世界的スタイリスト、パトリシア・フィールドのアートコレクション「ハウス・オブ・フィールド」展が開催されるというからこちらも見逃せない!

中村キース・ヘリング美術館

住所: 山梨県北杜市小淵沢町10249-7

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点在するアートスポット巡りを楽しもう

北杜市内にはほかにも、おなじみの清春芸術村清里フォトアートミュージアムなど多数のアートスポットが。

中でも見逃せないのが昨年オープンしたオルタナティブスペース「ガスボン メタボリズム(GASBON METABOLISM)」。敷地面積1000平方メートルを超える巨大工場跡地を利用し、現代作家たちの作品の展示や保管、アーティストレジデンス、撮影スペースなどの機能を備える。広大な空間に大型の作品が並ぶ姿は、日本とは思えない圧倒的なスケール感。作家の個展やコンサートなども予定されている。最新情報はSNSをチェックして!

GASBON METABOLISM
住所:山梨県北杜市明野町浅尾新田12
※開館日は金〜月

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【3】器をテーマに、北関東へ

GWは、笠間の陶炎祭にチャレンジ!

北関東の茨城~栃木に視野を向けると、笠間&益子という言わずと知れた焼き物の里がある。秋葉原から毎日関東やきものライナーという直行バスが出ているので、気軽にアクセスしやすい。

笠間では、2023年4月29日~5月5日に毎年恒例の笠間の陶炎祭(ひまつり)が笠間芸術の森公園で開催。地元特産の笠間焼を中心に、器好きにはたまらない、ここでしか買えない作家物から日常遣いしたい器までラインナップするのでフェス好きにおすすめ。

県をまたいですぐ隣町、栃木県の益子陶芸美術館旧濱田庄司邸・登り窯もハシゴしよう。

笠間日動美術館
笠間日動美術館
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西洋画から魯山人まで 圧巻のラインナップ

広大な丘に、笠間で近現代アートを観るなら、笠間日動美術館は外せない。東京・銀座にある日動画廊の創業者夫妻が1972年に緑豊かな丘陵地にオープン。ルノワールやドガ、モネ、スーラ、ゴッホら巨匠の作品だけでなく、世界的にも珍しい国内外の画家達のパレットコレクションは圧巻。ほかにもブロンズ像が佇む野外彫刻庭園など見どころはたくさん。  

魯山人
<左>≪雲錦大鉢≫ 世田谷美術館蔵(塩田コレクション) 撮影:上野則宏 <右> ≪九谷風鉢≫ 笠間日動美術館蔵(カワシマコレクション)
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さらに企画展示館では、2023年4月29日(土)から7月9日(日)まで「生誕140年記念 北大路魯山人」を開催。笠間日動美術館では、1965年に北鎌倉から笠間に移築した魯山人の旧居「春風萬里荘」を管理・公開しており、“美と食の天才”魯山人とゆかりが深い。

同展は、魯山人のよき理解者であり支援者であった塩田岩治氏が収集した世田谷美術館所蔵の「塩田コレクション」と、アメリカから里帰りしたカワシマコレクションをはじめ魯山人の作品を収集してきた笠間日動美術館のコレクションを一堂に展示。陶磁器、漆器、書画と幅広いジャンルから魯山人の世界観を堪能できるはず! 笠間をベースに、器尽くしの休日を楽しんでみては。

笠間日動美術館
住所:茨城県笠間市笠間978-4

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